精油は危険?初心者が知っておきたいアロマの注意点と安全な使い方

寝る前に、ラベンダーを1滴。
それだけで、少し呼吸が深くなる夜があります。
でも、「天然のものだし、多めに使っても平気だよね」と思ったことはありませんか。

精油は、植物の香り成分をぎゅっと凝縮したものです。
優しい香りの裏側に、扱い方を知っておきたい性質も持っています。

この記事では、アロマを始めたばかりの人がつまずきやすい注意点をまとめました。
難しい知識はいりません。 今使っている1本を手元に置いて、ラベルを見ながら読んでみてください。

目次

精油は危険?知っておきたい基本の注意点

アロマの注意点は、細かく覚えようとすると多く感じます。
けれど、土台になるのは3つだけです。

天然=安全ではないこと
原液のまま使わないこと
濃度を%で考えること

ここを押さえておけば、後半の注意点も「その応用」として自然に入ってきます。

「天然だから安全」とは限らない理由

精油は、植物が虫や病気から身を守るために作り出した香り成分を取り出したものです。
小さな1本の瓶に、数十から数百もの成分が詰まっています。
植物そのものに触れるのとは、濃さがまったく違います。

だから原液が肌につくと、赤みやかゆみ、かぶれが出ることがあります。
柑橘系の一部のように、日光と合わさって肌トラブルを起こすものもあります。
「植物だから肌にやさしい」は、精油に関しては半分だけ正解です。

香りの優しさと、成分の強さは別もの。
そう分けて考えるだけで、使い方は自然と慎重になります。

原液を肌に塗らない・飲まない

精油を肌に使うときは、ホホバオイルなど、精油を薄めるための植物油(キャリアオイル)で
必ず薄めて使いましょう。

原液は直接肌に塗りません。
ハンカチやティッシュに1滴落として香りを嗅ぐ、ディフューザーで部屋に広げる。
こうした芳香浴なら肌に直接触れないので、初めてでも取り入れやすい方法です。

飲むことは、どんな精油でもやめてください。
海外には医師の管理下で内服する例もありますが、家庭のセルフケアとは前提がまったく違います。
精油を触った手で目元をこすらないよう、使ったあとは手を洗っておくと心配が減ります。

もし原液が肌についたら、すぐに大量の流水で洗い流してください。
赤みや痛みが続くとき、誤って飲んでしまったときは、迷わず医療機関へ。

濃度は「何滴」より「何%」で考える

レシピでよく見る「キャリアオイル10mLに精油2滴」。
精油1滴はおよそ0.05mLなので、これで濃度は約1%になります。
同じ2滴でも、オイルが30mLなら約0.3%。

滴数だけ覚えていると、容量が変わった瞬間に濃度がずれてしまいます。
「何mLに何滴いれて何%にするのか」を考えて量を決めましょう。
1%は、健康な大人が体に使うときの目安です。
顔に使う場合ば、肌への刺激を考えて10mLに1滴の約0.5%まで下げた方が良いでしょう。

1%は、「これを守れば誰でも安全」という数字ではありません。
肌の調子や使う場所によっては、ここからさらに薄めることもあります。
低い濃度は香りが控えめで物足りなく感じることもありますが、そのぶん肌への負担は軽くなります。
初めての精油は、薄めたものを腕の内側に少し塗り、1日ほど様子を見てから使うと、
肌に合うかどうかがはっきりします。

体質や暮らしに合わせた気をつけ方

同じ精油、同じ濃度でも、使う人や環境によって合う・合わないが変わります。
妊娠中かどうか、使うのが昼か夜か、部屋に誰がいるか。
今の自分の暮らしに当てはまるところありますか?

妊娠中・子ども・持病がある人は確認を

健康な大人と同じ使い方が、そのまま当てはまらない人もいます。

子どもや高齢の方は肌が薄く、同じ濃度でも刺激を受けやすくなります。
3歳未満の乳幼児には、肌には使わず芳香浴のみにとどめてください。
妊娠中や授乳中の方、てんかんや喘息、高血圧などの持病がある方、薬を飲んでいる方は、
使えない精油や控えたい使い方があります。

たとえばローズマリーやセージの一部には、妊娠中やてんかんのある方には向かない成分を含むものがあります。
当てはまるなら、使う前に精油の説明書や販売店、かかりつけ医に一度確認しておくと迷わずにすみます。

そのまま始めやすい人

  • 健康な大人で、肌トラブルが起きにくい人
  • 香りを嗅ぐだけの芳香浴から始めたい人

使う前に確認したい人

  • 妊娠中・授乳中の人
  • 子どもや高齢の家族と一緒に使う人
  • 持病がある人、薬を飲んでいる人
  • 肌が敏感な人

柑橘系は日中の肌に使わない(光毒性)

ベルガモット、レモン、グレープフルーツなど、果皮をしぼって作る柑橘系の精油には、紫外線に反応する成分を含むものがあります。
この成分が肌についた状態で日光を浴びると、赤みや水ぶくれ、長く残るシミの原因になります。
この性質を光毒性と呼びます。

爽やかな香りなので朝のスキンケアに混ぜたくなりますが、肌に使うなら夜に回すのが鉄則です。
日中に使いたいときは、この成分を取り除いた精油を選ぶ方法もあります。
ラベルに「FCF」と書かれているものがそれで、成分名の「フロクマリン」を除いた(フリー)という意味です。

芳香浴で香りを楽しむだけなら、時間帯は気にしなくてかまいません。

猫と暮らす部屋でのアロマの扱い方

私も猫と暮らしているので、ここは特に伝えておきたい項目です。

猫の肝臓は、精油の成分を分解する働きが人よりずっと弱いことがわかっています。
部屋でアロマを焚くと、猫は呼吸や毛づくろいを通して成分を取り込み、体にためこんでしまいます。
柑橘系は、特に気をつけたい精油のひとつです。

猫と暮らしているなら、猫がいる部屋でディフューザーを使わないのが前提です。
わが家でも、家の中で精油を使うのはトイレくらいです。
ほかにも、猫が入らない部屋で使う、ハンカチに1滴落として自分だけで嗅ぐ、といった楽しみ方があります。
フェレットやインコなどの小動物も影響を受けやすいので、動物の家族がいるおうちは、一度使い方を見直してみてください。

安心して使える精油の選び方

注意点を知っても、手元の瓶がそもそも精油でなければ意味がありません。
ここからは、買うときと使い続けるときにつまずかないためのポイントです。
新しく1本選ぶときにも、すでに持っている瓶を見直すときにも使えます。

「アロマオイル」と精油の見分け方

雑貨店や100円ショップで「アロマオイル」と書かれた小瓶を見かけたことはありませんか。
この名前のものには、合成香料やアルコールで薄めたものが混ざっていることがあります。

精油(エッセンシャルオイル)は、植物から抽出した100%天然のもの。
アロマオイルは、精油を含むこともあれば、香りだけを再現した合成のこともある、幅の広い呼び名です。

合成のものは安くて手軽に部屋を香らせられるのがメリットです。
一方で、肌に使うのには向いていません。
肌に塗る、お風呂に入れるといった使い方をするなら、「精油」「エッセンシャルオイル」「100%天然」の表記があるものを選ぶのが確かです。 極端に安いものは、一度疑ってみる価値があります。

ラベルで確認したい4つの表記

精油の瓶や箱には、品質を判断するための情報が書かれています。 確認したいのは、次の4つです。

  • 学名(ラテン語の植物名)
  • 抽出部位(花、葉、果皮など)
  • 抽出方法(水蒸気蒸留法、圧搾法など)
  • 原産国

たとえば手元にあるフロリハナのフランキンセンスは、日本語のラベルに4つがすべて書かれています。

学名は「Boswellia carterii」
抽出部位は「樹脂」
抽出方法は「水蒸気蒸留」
原産国は「ソマリア」

同じラベルにある「AEAJ表示基準適合認定精油」のマークも、表示がそろっているかを見分ける目安になります。

抽出方法が圧搾法なら、柑橘系の光毒性に気をつける目安にもなります。
4つがそろっていない精油が悪いとは限りませんが、初めての1本はそろっているものを選ぶと迷いが減ります。

お風呂で使うときのコツ

お風呂に精油を数滴垂らす使い方は、よく紹介されています。
でも精油は水に溶けないので、そのまま垂らすと湯面に浮いて、原液が肌につきやすくなります。
バスソルトのように塩に混ぜるだけでも、精油が溶けるわけではないので同じことが起きます。

湯船で使うなら、精油を無水エタノールや市販のバスオイルベース(乳化剤)に先に混ぜてから入れます。
バスソルトを作りたいときも、精油を無水エタノールに混ぜてから天然塩に加えてください。
湯船のお湯はたっぷりあるので、お風呂では濃度より「原液を浮かせないこと」を優先して考えます。
量は全身浴で1〜5滴が目安です。

保管と火の扱いで気をつけること

精油は、光や熱、空気にふれることで少しずつ成分が変わっていきます。
酸化した精油は香りが落ちるだけでなく、肌への刺激も強くなりやすくなります。

保管は、遮光瓶のままキャップをしっかり閉めて、直射日光の当たらない涼しい場所へ。
開封後は1年以内を目安に使い切ります。
柑橘系は傷みが早いので、半年ほどで使い切れる量を選ぶと無駄がありません。

精油は燃えやすいので、キャンドルやコンロの近くには置かないこと。
子どもやペットの手が届かない場所に置いておけば、保管の心配はほぼなくなります。

まとめ

精油は、植物の力をぎゅっと閉じこめた小さな瓶です。
天然だから安全、ではなく、性質を知っているから安心して使える。
注意点を知ることは、香りを遠ざけるためではなく、長く付き合っていくための準備です。

  • 原液は肌に塗らず、必ず希釈する。
  • 飲まない
  • 濃度が何%になるのかを考えて滴数を決める
  • 妊娠中・子ども・持病がある人は、使う前に確認する
  • 柑橘系は肌に使うなら夜に回す
  • 「精油」表記とラベルの4項目を確かめてから選ぶ

全部を一度に覚えなくても大丈夫です。
今夜は、手元にある1本のラベルを裏返してみるところから始めてみてください。

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